もし今、この記事を読んでくださっているあなたが、私と同じように強い希死念慮や、どうしようもない落ち込みを抱えているとしたら。まず、この一文を読んでくれたことに心から感謝します。そして、私もまた、心の中で静かに「生きる希望」を探し続けている一人であることを、正直にお伝えします。
深い暗闇の中にいると、何をしても無意味に思え、未来は真っ白に見えます。そんな中で、私はふと、20数年前、10代後半から20代にかけて熱中していたNHKラジオ英語講座のことを思い出しました。
「昔、熱中していたことをもう一度やってみよう。もしそれが、明日へ生きるための、ほんの小さな光になるなら」
そうした静かな決意から、私は20年以上のブランクを経て、英語学習を再開しました。これは、大きな目標のためではなく、「つらすぎる今」から意識を逸らし、「小さな希望」を見つけるための、私自身のささやかな闘いの記録です。

第1章:ブランク明けの再スタート。なぜNHKラジオを選んだか
行動を起こすための「低いハードル」
気分が沈んでいる時、エネルギーは底をついています。高額な英会話スクールに通ったり、難しい専門書に手を出す余裕は私にはありませんでした。
そんな時、昔お世話になったNHKラジオ英語講座が、今の私にとって最適な選択肢でした。
- 低コスト: テキスト代(毎月数百円)のみで始められる。
- 低負荷: 1回15分程度で完結する講座が多く、長く集中できなくても大丈夫。
- 手軽さ: ラジオやアプリで、時間や場所を選ばず始められる。
この「低さ」が、私にとっての「再スタートのハードルの低さ」になりました。失敗してもいい、途中でやめてもいい、という心の余裕が持てたのです。
私に最適だった講座:『中学生の基礎英語 レベル2』
私はかつて英検準二級を取得しましたが、20数年のブランクがあります。基礎力があるのは分かっていても、「単語がすぐに出てこない」、「とっさの会話に口が動かない」という不安がありました。
そこで選んだのが、『中学生の基礎英語 レベル2』です。
これは、当時、専門家の方に「基礎を固め直すのに最適」と薦められた講座です。実際にやってみると、中学で習う重要な文法事項を無理なく復習でき、まさに「忘れてしまった基礎を思い出す」のにぴったりでした。
そして、学習を続ける上で、一番大切にしたことは、「完璧を目指さない」ことです。
- 聴いていて疲れたら、途中で止めてもOK。
- テキストを広げる気がしなかったら、ただ耳で聴くだけでOK。
- 体調が悪くて何もできなかったら、それは「体を休ませる」という今日の課題をクリアした、と見なしました。
学習再開がもたらした「小さな変化」
毎日15分、ヘッドホンをつけて英語に集中する時間は、私にとって一種の「マインドフルネス」のようになりました。意識を英語の音と意味だけに集中させることで、つらい思考から一時的に意識を逸らすことができたのです。
そして、今日一日を終える時に、「ああ、今日は英語に触れたな」という、本当に小さな、しかし確かな自己肯定感を得ることができました。
「昨日できなかったことができる」という前向きな感覚が、「明日もまたやってみようかな」という、かすかなエネルギーに繋がっていきました。
第2章:未来への灯台。「いつか海外へ行く」という目標
「海外旅行に行ったことがない私」の夢
私の人生で、まだ経験していないことの一つが海外旅行です。
英語学習を再開するにあたり、私は「いつか、この英語を使って海外へ行く」という目標を、未来への灯台として心に立てました。
この目標は、「未来に生きている証」であり、「待っている楽しみ」です。
- もし今、挫折しそうになったら、ハワイの青い海や、カナダの雄大な景色を想像する。
- テキストの単語を覚える時は、「これは、旅先のレストランでオーダーするための言葉だ」と意味づける。
この具体的な目標を持つことで、今の学習が「つらい闘い」ではなく、「未来の自由へのチケット」のように感じられるようになりました。治安が良く、親日家が多いハワイや、英語が公用語のシンガポールなどを候補に、今はひたすら「中学生の基礎英語 レベル2」に取り組んでいます。
今日の学習は、未来の自由へのチケット
英語学習は、ただのスキルアップではありません。私にとっては、落ち込んだ心に「リズム」と「意味」を与えてくれる、かけがえのない時間です。
今日の15分の積み重ねが、いつか私を新しい世界へと連れて行ってくれるはずです。今はまだ見えなくても、一歩一歩進んだ先には、必ず新しい景色が待っています。
結び:つらいあなたへ、そして自分自身へ
もし今、あなたが耐え難いほどのつらさを感じているなら、どうか無理をしないでください。
「生きている」こと、それ自体が、今のあなたにとって最大の努力です。
学習は中断しても、いつでも再開できます。心と体を休ませることを最優先にしてください。
そして、もし心が少しだけ動いたら、私と同じように、小さなステップから何かを始めてみませんか。それは英語でなくても、昔好きだった趣味でも構いません。
あなたの未来は、まだ描かれていません。
私は、この英語学習が、あなたにとって、そして私にとって、明日を生きるための小さな希望になることを心から願っています。
あなたは一人ではありません。

