毎年届く「ねんきん定期便」のハガキ。 人によっては、開くのが少し怖いと感じたり、中身を見ずにしまってしまうこともあるかもしれません。
しかし、私は先日届いたそのハガキから、「22年後の自分」を支える具体的な希望を見つけました。現在、経済的な事情で国民年金保険料の「全額免除」を受けている私のような者にとって、「年金」は遠い未来の不安でしかありませんでした。
ですが、この一枚のハガキは、私の心を照らす灯台になったのです。

1.絶望の中に光をくれた具体的な数字
届いた「ねんきん定期便」には、これまでの加入実績に基づいた将来の年金額の目安が記載されていました。
| 年金受取開始年齢 | 年金の見込額(年額) |
| 65歳 | 約 81万円 |
| 70歳 | 約 115万円 |
| 75歳 | 約 149万円 |
この数字を見たとき、私は涙が出そうになりました。
特に、75歳まで受け取りを遅らせる「繰り下げ受給」を選べば、年額150万円近い年金がもらえるという事実。今から22年後、生活を支えてくれる確かな金額が、そこには書かれていました。
絶望や希死念慮に苛まれる日々のなかで、「あと22年生きれば、これだけの生活基盤がある」という具体的な見通しは、何にも代えがたい生きるための目標に変わったのです。
2.「全額免除」でも年金がゼロにならない理由
私のように経済的に苦しく、「全額免除」を受けていると、「将来年金はほとんどもらえないのでは」と不安になるかもしれません。しかし、日本の公的年金制度は、生活が困難な方を守るための機能を持っています。
全額免除でも「受給資格期間」にカウントされる
年金を受け取るために必要な10年(120月)の加入期間には、免除期間も含まれます。
免除期間も「年金額」に反映される
国民年金の免除期間は、その期間の保険料の半分(1/2)を国が負担してくれるため、全額免除であっても、将来の年金額に反映されます。(※平成21年3月までの期間は1/3)
過去に納めていた厚生年金や国民年金に、現在の「全額免除」で国が負担してくれる分が加わることで、私の将来の年金額が計算されていたのです。
3.小さくても、具体的な希望は「生きる力」になる
「たったそれだけ」と思われるかもしれません。
でも、つらい状況で生きている人にとって、具体的な未来の安心感は、今の自分を支える「確かな理由」になります。
- 「22年後、私は年金で生活できる」
- 「そのために、まずは今年の生活をどうにかしよう」
- 「いつか経済状況が良くなったら、免除された分を追納して、年金額を増やしたい」
未来の具体的な希望を持つことで、現状を改善したいという前向きな意欲が生まれます。
生きる希望の大きさは関係ありません。高額な目標でなくても、誰かにとっては小さく見える目標でも、あなたが「生きる力」を得られるのであれば、それは誰にも否定できない、あなたにとって最も大切な希望なのです。
まとめ:あなたの「ねんきん定期便」も開いてみませんか
もし今、あなたが将来への漠然とした不安や絶望を感じているなら、一度「ねんきん定期便」を開いてみてください。
そこに書かれた金額は、ただの数字ではなく、「あなたがこれまで生きてきた証」であり、「国があなたに約束している未来の生活の基盤」です。
その具体的な数字が、あなたにとっての「生きるための希望の灯台」となることを、心から願っています。
(※ご自身の年金記録や見込額についてさらに詳しく知りたい場合は、「ねんきんネット」の利用や、年金事務所への相談をおすすめします。)

